腰痛を理解する〜腰痛の原因・種類・症状〜

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今回は最も多くの人が悩まされ、その多くの人が改善できずに悩んでいるであろう”腰痛” について書いていきます。

腰痛を持っている人からしたら、腰なんて痛いのがもはや当然で、「大抵の人は腰痛いんでしょ?」という認識かと思います。実際に病院で患者さんを診ていても、腰痛は治らないものだと思っている方の多さに驚かされました。

一概に腰痛といっても原因は様々で、診断名も症状・原因によって異なります。

今回は腰痛にはどのような種類があって、それぞれ何が原因なのか。そして自分の腰痛は一体どれに当たるのかということを理解していただければと思います。自分の腰痛が何という症状で、何が原因だと考えられるのか、ということをわかって初めて最適な治療法を導き出すことができます。

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参考文献はこちら。

9780750652230「Sports Injuries」

スポーツ障害の分野では非常に有名な本です。著者はイギリス人PTのNorrisです。

 

 

  

まずは腰痛にはどのようなパターンがあるのかを紹介していきます。

 

1)腰椎椎間板ヘルニア

WeHeartItより

俗に言うヘルニアです。

脊柱は24個(頸椎7、胸椎12、腰椎5)の骨から成っていますが、その骨の間には椎間板というクッションが挟まれています。このクッションのおかげで重力や動作によって骨にかかる負荷が減少します。

しかし、度重なる負荷によって椎間板が押しつぶされ続け、椎間板の中心にある髄核というものが椎間板を突き抜け、周囲の組織を圧迫することで痛みが発生します。特に髄核は後方に突出しやすく、椎間板のすぐ後ろには神経が通っているので、突出した髄核がこの神経を圧迫することで強い痛みや下肢に痺れが発生することがあります。

 

痛みだけでなく痺れが発生したら少し重度の高いヘルニアだと判断されます。

 

2)脊椎管狭窄症

これは高齢者に多い症状です。ヘルニアと同じく脊柱の中(脊柱管)を通っている神経が圧迫されて痛みや痺れが発生するのですが、原因は異なります。

脊柱管は骨、椎間板、靭帯などで囲まれた長い管で、その中を神経が通っています。加齢などにより、骨が変形したり、靭帯が分厚くなるとこの管が狭くなり、中を通る神経を圧迫することがこの症状の原因です。

症状の特徴として間欠跛行(かんけつはこう)というものがあります。これは歩いていると腰や下肢に痛みや痺れが出ますが、少し休むと楽になり、また歩き出してしばらくすると痛くなるというもので、長距離を歩くのに多くの休憩が必要になります。

 

3)腰椎分離症・すべり症

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これは腰の骨(腰椎)の部分的な骨折です。

腰椎の後部(椎弓)に骨折がおき、前部の椎体という部分から椎弓が離れてしまう症状を分離症といいます。すべり症は分離症が進行して、椎体と椎弓が完全に離れて、椎体が前へずれてしまうという症状をいいます。

分離症は特に中高生のスポーツ選手に多く発生し、症状は軽い腰痛から全く症状のない場合もあります。しかし、治療せずに放っておくとすべり症へと悪化してしまいます。

 

すべり症は効果的な治療法が少なく、痛みや痺れが強い場合は、手術で緩和させるケースもあるので、分離症の段階で適切な治療をして進行を防ぐことが重要となります。

 

4)急性腰椎症

俗に言う’ぎっくり腰’です。

重い物を持ち上げたり、ふとした日常生活の動作で腰に激痛が走り動けなくなってしまいます。症状の原因は特定されておらず、腰の靭帯の捻挫、筋肉・筋膜の炎症、などなど様々な原因があると考えられています。

1つ確実なことはレントゲンでの異常が見られないことです。

 

5)腰椎症

私の経験上ですが、腰椎症と診断された場合は原因が特定できない腰痛であることが多いです。

レントゲンやMRI検査では異常が発見されないけど腰が痛い。めちゃくちゃ痛いわけじゃないけど、気が付くと痛くて、でも日常生活には特に支障はなくて、、、

我慢してれば仕事にも影響がない、というようなケースが多いです。

 

ただ、腰椎症にもいくつかのパターンがあり、長時間座っていると痛くなる、長時間座ってから動き出すと痛くなる、歩いているときに痛い、歩き出すと痛いけどしばらくすると痛くなくなる、など症状は人によって様々です。

日常生活にも大きな支障をきたしていないので、我慢している方、完治は諦めている方が多いのも事実ですが、原因を特定できれば良くなるということも経験上多いです。

原因不明の腰痛については次回の記事で扱わせていただきます。

 

ここからはみなさんの症状別にどの原因が考えられるか、を説明していきます。

ただ、これは100%言い切れるものではありません。例えば、前屈をして痛みが出る人は椎間板ヘルニアが疑われますが、ヘルニアであっても前屈で痛みが出ない人もいれば、後屈で痛みの出るヘルニアの人もいます。あくまで傾向を紹介させていただきます。

 

下肢に痺れがでる - 

痺れは腰痛を診断するうえで重要な情報であり、腰痛の重度も表します。下肢に痺れがある場合は必ず医師の診察を受けましょう。

 

前屈で痛み・痺れが出る、または増す - 

後屈で痛み・痺れが出る、または増す -  

長時間歩くことが出来ず、少し歩いては休むを繰り返す - 

 

これをご自分の症状と比較してもらえれば、これかもしれない?という原因がわかるかもしれません。

ただ、これはあくまで目安ですので、特に椎間板ヘルニア、脊椎間狭窄症、分離・すべり症の疑いがある場合は医療機関で医師の診断を受けることをお勧めします。

さまざまな形でヘルニアにはこの運動が効果的ですよ~などと紹介されていますが、私の経験上ヘルニアといえども症状や原因が人によって全然違うので、適切な治療というのも人によって異なると思います。

なので、ここではそれぞれの症状に対する対処法は紹介せず、ご自身の腰痛はすぐにでも医師に診てもらったほうがいいかもしれませんよという提起までにしておきます。

 

腰椎症については次回の記事で僕の経験上の原因解明法を紹介します。

 

 

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