熱中症予防には水分補給が不可欠!水分補給の方法を具体的に解説!

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夏。熱中症の予防やパフォーマンスの維持に、運動中の水分補給は不可欠です。今回は特に「熱中症の予防のための水分補給」にフォーカスして、なぜ水分補給をしなければいけないのか?何をどのように飲めばいいのか?について紹介したいと思います。

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>>今回の参照記事はこちらです。

NATA Position Statement:Fluid Replacement for Athletes

NATAから出ている「アスリートのための水分補給」についてまとめられた論文です。

 

なぜ水分補給が重要なのか?

「熱移動」のページでも書いたように、気温・湿度ともに高い日は、汗をかくことによる気化熱での熱の放散が、運動中に体内の熱を下げる主要な方法です。

研究の結果、「気温も湿度も高い日」は発汗による熱放散は全体の80%以上を占め、「気温は高く湿度は低い日」は約98%は発汗によって熱が放散される、と言われています。

夏、汗をかくことはとっても重要なのです!!!

 

しかし、汗をかくということは、体内の水分を失っていくということです。

運動中は、主に「汗」と「尿」によって体内の水分は失われていきます。水分補給の量が、汗と尿によって失われていく水分量よりも少ないと、いわゆる「脱水症状」が起きます脱水症状とは、「めまい」「寒気」「頭痛」「脚がつる/体の一部がけいれん」「吐き気」「のどの異常な乾き」が起きることです。この中でも、最初の脱水のサインはのどの乾きです。

 

「のどがかわく」ということ

「のどが乾いてから水分を補給しているようでは遅い」というのを聞いたことがあるかもしれません。のどが乾いているということは、もう脱水が始まっている、と。これは本当なのです。

“のどの乾き” は、筋肉の弾力性や緊張に反応します。つまり、筋肉から水分が失われてくると、のどが乾いてくるようになっているのです身体ってすごい!)。

いくつかの研究では、体重の1.7〜3.5%の水分が身体から失われたときにのどが乾いてくる、という結果が出ています。のどが乾いているということは、筋肉からすでに水分がなくなっているからなんですね。だから、のどが乾く前からこまめに水分を摂っておくと良いのです。

たった1.7〜3.5%の水分がカラダから失われたくらいでそんな焦る必要ないでしょ、と思う人もいるかもしれません。しかーし!これはかーなりの大問題なのです!!!

 

水分を失うとパフォーマンスレベルが下がる

まず注目すべきこと。「体重の1〜2%の水分がカラダから失われると、パフォーマンスの低下がはじまる」ということ。

更に「体重の3%以上の水分が失われると、更に身体機能がうまく働かなくなり、パフォーマンスの低下はもちろん、熱中症になる危険性が一気に高まる」ということ。体重の3%というのは、体重50キロの人で1500グラム(=1.5リットル)です。

そんなに大量の水分が減ることなんてないでしょ、って思うかもしれませんが、体重の3%の水分を失うというのは、人によっては、しっかり水分補給をしていないと、トレーニング開始から1時間ほどで達してしまうこともあるくらいの量なのです。

 

水分補給の方法

それではここから、具体的に水分補給について、どのように、何を、どれくらいとればいいのかを紹介していきます。

 

1)練習中はたくさんの量を一気にではなく、少ない量をこまめにとるべきである

たくさんの量を一気に飲んでも、全てが体内にしっかりと吸収されません。こまめにとって、効率的に体内に水分を補給してあげましょう。

 

2)個人用のボトルを用意する

個人個人でそれぞれマイボトルを用意することで、自分はどれくらい水分を補給しているのか、またはしていないのかがわかります。そのボトルが透明だとなおいいですね。外から見てもわかるので、自分の水分補給具合を常にチェックすることができます。

 3)選手はしっかりと水分が補給された状態で練習を始めるべきである

いくら練習中にしっかり水分補給をしていたとしても、練習を始める時すでに脱水状態であったら、最初からパフォーマンスが低下した状態で練習を始めることになってしまいます。水分補給は運動中だけ行うのではなく、1日を通して常に、こまめに、行うことが大切です。

 

4)脱水状態で練習を始めないために、練習の2〜3時間前に500~600mL、10~20分前に200~300mLの水orスポーツドリンクを飲むと良い

3)で言ったことの、具体的な方法がこれです。

 

水分補給ができているかのチェック方法

それでは、どのように今自分は水分がしっかりと補給されている状態なのかどうかを知ることができるのでしょうか。

 

A)おしっこの色チェック

一番簡単な方法が、尿(おしっこ)の色をチェックすることです。

常に透明〜薄い黄色をキープすることが大切です。


>>おしっこの色チェックシートについては、こちらの記事に詳しく書いてあります。

熱中症を100%予防するためにするべき8つのこと


B)練習前後に体重を測る

もう一つの方法が、練習中の体重の増減をチェックすることです。参考にした論文にも、練習中の体重増減が、体内の水分状態を知る1番の方法であるとあります。

練習前に体重を測り、練習中も何度か体重を測る。練習中は、練習前の体重をキープするようにこまめに水分補給をしましょう。最低でも体重減少を2%以内におさえると、熱中症になる危険性は低いです。

自分の体重の1%減、2%減、3%減を覚えておくといいと思います。

 

練習中の水分補給の量やタイミングについて。

これは汗のかきやすい人・あまりかかない人など個人差があるので「これくらいとれば大丈夫!」とは言えませんが、一般的には、10~20分ごとに200~300mLとるといいようです。

 

5)練習後は、練習中に失った水分をしっかり補給する

この練習後の水分補給は、水分の他に、炭水化物筋肉・肝臓内のグリコーゲンの蓄えを補給するため電解質細胞・臓器の機能回復/水分補給の促進のためを含むといいです。

電解質とは. . . ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムといった物質のことで、5大栄養素の1種類であるミネラルに属します。

というのも、代謝・心肺機能・体温調節機能などのたくさんの体内の機能の回復に、水分と炭水化物を練習やトレーニング後に摂ることは不可欠なのです。

また、練習後の水分補給は2時間以内にコンプリートするとよりよいです。

6)補給する水分の温度は10~15℃がよい

水分の温度が、トレーニング中に補給する水分の量に影響を与えることがわかっています。個人の好みももちろんありますが、10〜15℃くらいの冷たさがちょうどいいのではないか、と薦められています。

 

7)炭水化物の補給について

練習の2〜3時間前に炭水化物をとって、運動中にエネルギー不足にならないようにしましょう。もしハードなトレーニングをするのであれば、30分前にも軽く炭水化物をとりましょう。

また、練習・トレーニングが50分以上続くのであれば、炭水化物を含むドリンクを用意しておいて、練習中にこまめに補給しましょう。

 

炭水化物を含むドリンクの代表的なものといえば、ポカリスエットやアクエリアスのようなスポーツドリンクですね。このようなスポーツドリンクには電解質も含まれているので、運動中だけではなく、運動前や運動後の水分補給にも適しています。

ですが、よく「あのスポーツドリンクは糖分が多すぎるから薄めて飲んだ方がいい」というようなことを聞いたことがあるかもしれません。たとえ薄めて飲むとしても、どれくらい薄めたらいいのか。水とスポーツドリンクを半々にするといいのか。もっと水が多めの方がいいのか。今回の参考文献である水分補給に関するPosition Statementには、炭水化物6%のドリンクがトレーニング中に飲む理想のドリンクだろう、となっています。

運動の強度によりますが、運動中に体は1時間で約30〜60gの炭水化物 (グリコーゲン) を使います。炭水化物が6%のドリンクは、1時間で消費される炭水化物とほぼ同量の炭水化物を補給することができるため、グリコーゲン減少を防ぎます。


ちなみに、ポカリスエットとアクエリアスはどれくらいの炭水化物が含まれているのか。

  • ポカリスウェット:6.2g(100mLあたり)(大塚製薬のウェブサイトより)
  • アクエリアス (ペットボトル製品):4.7g(100mLあたり)(日本コカ・コーラのウェブサイトより)

これをパーセントになおすと、ポカリスエットは6.2%で、アクエリアスは4.7%の炭水化物を含むドリンクであるということがわかります。

つまり、炭水化物6%のドリンクが理想と考えるならば、練習中に飲むドリンクとしてはポカリの方がいいのかな、と思います。


ドリンクに含む炭水化物が8%以上になると、運動中に消費する以上の炭水化物を補給することになるので、体内の炭水化物の量は増えます。しかしその分、胃から水分を減らして腸で吸収する割合が減ってしまうため、水分の吸収のスピードが遅くなってしまいます。これは長時間のトレーニングになると、熱中症になる危険性を高めます。

よって、炭水化物8%以上を含むドリンクは、練習中のドリンクには不向きです(炭水化物を補給する必要のある練習前や練習後は問題ありません)。

 

他に、どのようなドリンクは練習中に不向きなのか。

  • カフェインを含むもの(コーヒー・紅茶など)

カフェインは利尿作用というものがあります。これは簡単に言うと、すぐおしっこにいきたくなるという作用。練習中にコーヒーや紅茶などのカフェインを含むものをとってしまうとこの利尿作用が働き、どんどん水分が出ていってしまい、脱水を促すことになります。

  • 炭酸飲料(コーラなど)

炭酸は胃をふくらませる効果があるため、お腹いっぱいだなーという感覚を与えます。それによって、水分をあまりとらなくなってしまうため、脱水になりやすくなります。

 

8)熱中症や脱水症状を早く見つけてケアをするためにも、監督・コーチは脱水の症状を知っておくべきである

明らかに体調が悪そうな選手がいれば、誰でも見つけることができるし、選手自信も「明らかにおかしい」と気づきます。しかし、その選手はもしかしたらもっと前から脱水や熱中症の症状が出ていたのかもしれない。もし早い段階でその症状に誰かが気づいていれば、もしくは自分で「これはヤバい気がする」と気づいて水分補給や休憩をとるなどの行動を起こせば、そこまで体調が悪くなることはなかったかもしれない

脱水症状の早期発見は、熱中症がひどくなるのを防ぎます。

トレーナーが練習や試合の場にいるのが一番ですが、夏は特に、監督やコーチなどが選手の様子をしっかり見てあげることが大切です。

 

脱水の主な症状

・のどの乾き ・めまい ・寒気 ・頭痛 ・足がつる or けいれん

・吐き気 ・頭や首に熱を感じる ・パフォーマンスの低下

腹痛や吐き気がなければ、積極的に水分補給を行います(一気にガブガブ飲むのではなく、ちょっとずつこまめに)。もし気持ち悪くて何も飲めなかったり、飲んでも吐いてしまう場合は、病院へ行きましょう。

 

9)以下のコンディションに当てはまる場合は、練習中に塩分(電解質)を含んだドリンクを飲むべきである

  • 4時間を超える練習
  • 暑くなってきてから (気温が高くなってきはじめてから) 数日
  • 練習前にしっかり食事をとらなかった(←とらなきゃダメ!!)

1リットル中0.3~0.7gの塩分を含むドリンクは、汗による塩分の損失をしっかり補い、足がつったり筋肉がけいれんするのも防いでくれます。また、塩分はのどの乾きを促すため、選手自身による自発的な水分補給を促すという効果もあります。

 

まとめ

少年野球

熱中症を防ぐためには、やはり監督やコーチ・部活の顧問の先生・親がしっかりと知識を持ち、選手たち・子どもたちが熱中症にならないための環境づくりをしてあげることが一番大事なんじゃないかなと思います。

 

親は「練習中はちょこちょこ水飲むんだよ」と常に言い聞かせることや、練習から帰ってきたらすぐご飯が食べられるように準備をしておくことが、熱中症を防ぎます。

監督・コーチ・顧問の先生は、練習中に水分補給の時間をこまめにとってやること。または、水分を自分で用意してこなかった子のために、水を用意してあげたり。体調が悪い子が、素直に「体調悪いです」と言えるような環境・チームの空気をつくってあげることもとても大事です。

または、トレーナーの人を講師として呼んで、熱中症について勉強するような機会をつくるのもいいですね。熱中症の予防は、選手自身の意識も大事になってきますからね。(僕でよければいつでも講師で呼んでください。笑)

 

「熱中症は100%防ぐことができる」

しっかり準備をして、暑い夏をみんなで楽しく乗り切りましょう!!

 

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