足関節のスペシャルテスト

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足関節_足首_捻挫_スペシャルテスト

以前、肩のスペシャルテストをその1、その2に分けてお伝えしました。

肩のスペシャルテスト その1

肩のスペシャルテスト その2

 

スペシャルテスト第2弾として、今回は「足関節」に注目しようと思います。

足首をひねった!という時によく起こる「捻挫」という怪我をちゃんと評価して、病院に連れて行くべきか、とりあえず大丈夫そうなのか、を判断するために、現場でトレーナーとして活動する方は絶対に覚えておきたいスペシャルテストを紹介します。今回は、足関節捻挫について書かれたNATAポジションステイトメントの中で出てくるスペシャルテストを紹介します。

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今回の参考文献はこちらです。

足関節_PS_スクショNational Athletic Trainers’ Association Position Statement: Conservative Management and Prevention of Ankle Sprains in Athletes

アスリートによる足首の捻挫のケアや予防についてまとめられた、NATAによるポジションステイトメントです。

 

足首_スペシャルテスト_スクショ

Mechanics of the anterior drawer and talar tilt tests: A cadaveric study of lateral ligament innjuries of the ankle

足首の代表的な2つのスペシャルテストのメカニズムを研究したものです。

 

HighAnkleSprain_スクショ

Diagnostic accuracy of clinical tests for ankle syndesmosis injury

High Ankle Sprainと呼ばれる遠位脛腓靭帯を損傷してしまう捻挫を判断するための、数々スペシャルテストの正確さを研究したものです。

 

 

足関節のスペシャルテスト

足首_足関節_捻挫_スポーツ

それでは、足首をひねった選手が現れたときに行うべき足関節のスペシャルテストを紹介していきます。

 

1)内反捻挫

まずは、足首をひねった80%以上の人がなると言われている「内反捻挫」になったときに損傷する可能性の高い、足首の外側の靭帯の損傷の程度をチェックするスペシャルテストを2つ紹介します。

 

Anterior Drawer Test

内反捻挫をしたときに一番損傷する可能性が高いと言われる「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」の損傷(もしくは断裂)をチェックするスペシャルテストです。

 
  1. 患者は動画のように、足だけベッドの外に出るように座って(もしくは仰向けになって)リラックスします
  2. トレーナーは、片手で足関節の少し上をつかんで固定します(動画の左手)
  3. もう片方の手の手のひらでかかとを包むように掴み、足首を20°くらい底屈させた状態で、つま先側に引き出す
  4. 引き出された程度を、怪我をしていない方の足関節と比較し、怪我をした方の足関節の方がより引き出されたら陽性です

 

Inversion Talar Tilt Test

踵腓靭帯(しょうひじんたい)の損傷(もしくは断裂)をチェックするスペシャルテストです。

 
  1. 患者は動画のように、足だけベッドの外に出るように座って(もしくは仰向けになって)リラックスします
  2. トレーナーは、片手で足関節の少し上をつかんで固定します(動画の左手)
  3. もう片方の手の手のひらでかかとを包むように掴み、内反方向に動かす(つま先が親指側へ動く)
  4. 外くるぶしの下側に痛みが出ると陽性です
  5. さらに、怪我をしていない方の足関節でも同じようにテストを行い、怪我をしている足関節の方がより内反方向に動いたら(=ゆるみがある)それも陽性です

 

2)High Ankle Sprain(遠位脛腓靭帯損傷)

足首をひねった時に一番起こりにくい(1〜3%くらい)と言われているこのHigh Ankle Sprainですが、痛みがひどく、歩くこともできなかったり、なかなか治らなかったりと、とても厄介な足首の捻挫です。これは「遠位脛腓靭帯(えんいけいひじんたい)」という靭帯を損傷する足関節捻挫をさします。この遠位脛腓靭帯がダメージを受けているかどうかをチェックする代表的なスペシャルテストは以下の3つです。

 

Dorsiflexion-External Rotation Test(Kleiger’s Test)

 
  1. 患者は、足が地面に着かないところで座って足をリラックスさせる
  2. トレーナーはまず足首の少し上をつかんで、動かないように固定します(動画の左手)。ただ、ちょうどこの固定する位置が遠位脛腓靭帯がある場所なので、圧迫しすぎないように注意します(ここを強く掴みすぎると、その圧迫で痛みが出て、このテストによって痛みが出たかどうかがわからなくなります=false positiveの可能性)
  3. 逆の手で足をつかんで、しっかりと背屈させます(つま先をすね方向に持ってくる)
  4. 背屈させた足を小指側に持っていきます(=外旋させる)
  5. 足関節の前面(両くるぶしの間あたり)に痛みが出たら陽性です

しっかり足関節を背屈させることがポイントです。しっかり背屈させた状態を保ちながら外旋させていきましょう。

 

Squeeze Test

 
  1. 患者は、足が地面に着かないところで座って足をリラックスさせます
  2. トレーナーは両手でふくらはぎの真ん中を、腓骨と脛骨を近づけるように圧迫します(=Squeezeする)
  3. 足首に痛みが出たら陽性です

このSqueeze Testは、脛骨や腓骨の骨折があるかどうかをチェックする際にも使われるスペシャルテストですが、High Ankle SprainをチェックするためにこのSqueeze testを使う時は「ふくらはぎの真ん中」をSqueezeするようにしてください。

 

Fibular Translation Test

 
  1. 患者はベッドの上で横向きになり、怪我をした足関節の内くるぶしがベッドにつくようにポジションをとります
  2. トレーナーはベッドと足関節の間から手を通して足関節の少し上をつかみ、脛骨を固定します(動画の右手)
  3. もう片方の手の手根を外くるぶしの後ろ側に当て、指は外くるぶしの前方をつかみ、外くるぶしを前後に動かします
  4. 足関節に痛みが出た、もしくは怪我をしていない足関節と比べて、外くるぶしが前後により動いたら陽性です

 

Ottawa Ankle Rules(オタワアンクルルール)

これは上で紹介したスペシャルテストとはちょっと違いますが、足首をひねった人があわられたとき、いきなり上記のようなスペシャルテストを行うのではなく、まずは話を聞いて(=問診)、足首のどこらへんが痛いのかを聞いて、その部位を触ってみる(=触診)と思います。その際にこのオタワアンクルルールを知っておくと、最低限必ずチェックするべき場所がわかりますし、すぐに整形外科に行ってレントゲンを撮るべきかどうか(=骨折の疑いがある)もわかります。

オタワアンクルルールについては以前に記事を書きましたので、詳しくはこちらをお読みください。

Ottawa Ankle Rules〜オタワアンクルルール〜

 

まとめ

今回はトレーナー向けの専門的な記事になりました。

足首の捻挫は、スポーツ現場で最も頻繁に起きる怪我と言われています。ですが、ただの捻挫でしょ、と簡単に済ませることのできる怪我ではありません。骨折も起きますし、靭帯の完全断裂も起きます。こんな時はすぐに整形外科に連れて行って、固定が必要になるでしょう。

現場でトレーナーをされている方には、ぜひ参考にしていただけたらと思います。

 

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