突き指パート2〜ボタン穴変形とスワンネック変形〜

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つい先日、高校生のアメフトのキャンプで働いた時、はじめてBoutonnière Deformity(日本語では 「ボタン穴変形 」と言うみたいです)を見ました。教科書で習っただけのケガだったので「あっ!Boutonnièreだ!」って見てすぐ思ったものの、いまいち曖昧だったので、若干マニアックなケガではありますが、ここでまとめておこうと思います。

Boutonnièreと一緒に、Swan-Neck Deformity(スワンネック変形)も合わせてまとめようと思います。

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>>参考文献はこちら。

scsho

Overview of Wrist and Hand Injuries, Pathologies, and Disorders: Part 2

指と手首の怪我について簡単にまとめられた記事です。

 

Principles of AT

「Principles of Athletic Training: A Competency-Based Approach」

ATCプログラムの大学院時代に使っていた教科書です。

 

AAOS – OrthoInfo

American Academy of Orthopaedic Surgeonsのホームページです。

 

>>突き指パート1の記事はこちらからどうぞ。

 

Boutonnière Deformity(ボタン穴変形)とは?

ボタン穴変形とは、指の伸筋(指を伸ばす筋肉)の腱が、第二関節(解剖学的に言うと、近位指節間関節=PIP関節)のところで切れてしまうことによって起きる変形のこと。

どのように起きるのか、そのメカニズムとしては、突き指のように、何かが指の先端に強く当たること(バスケットボールが指の先端に当たる/手を地面につくときに誤って指をついてしまうなど)で、急激に指の第一関節(=遠位指節間関節/DIP関節)が伸展し、第二関節が屈曲することで、腱が切れてしまって起きます。

このボタン穴変形が起きると、第二関節を伸ばすことができなくなり、第一関節を曲げることもできなくなります。さらに、すごい痛みと腫れが症状としてあらわれます。

 

するべき応急処置は、まずはRICE(アイシング)。氷で冷やすことで痛みを和らげましょう。痛みで指が硬直してしまうことが多いので、アイシングをすることで和らげます。

 

>>RICEについての記事はこちらからどうぞ。

 

Boutounniere2

その後(もしくはアイシングをしながら)、すぐに病院へ行って医者にみてもらいましょう。多くの場合は、副木(上写真のようなもの)をあてて固定することになります。このボタン穴変形は、ちゃんと処置がされないと、一生第二関節が曲がったままになってしまったり、うまく指が動かなくなってしまうことがあります。

 

Swan-Neck Deformity(スワンネック変形)とは?

swanneck1

ebayより

スワンネック変形とは、その名の通り、指がスワン(=白鳥)のネック(=首)のようになってしまうこと。

もう少し詳しく言うと、第一関節(=DIP関節)が屈曲し、第二関節(=PIP関節)が過伸展を起こしてしまう変形のこと。これはつまり、Boutonnière Deformityと正反対のことが起きている変形です(Boutonniereは、第一関節が過伸展で第二関節が屈曲)。

このスワンネック変形が起きるメカニズムは、大きく分けて2種類あります。

 

①関節リウマチ

関節リウマチになると、一番影響を受ける関節が、指の第二関節だそうです。指の第二関節が炎症によって腫れてしまうことで、掌側板がストレッチされます。

掌側板(右図のVolar Plate)とは、指の第二関節の腹側(=手のひら側)にある軟骨のことで、関節が過伸展しないように抑えているもの。腫れによって掌側板がストレッチされている状態が続くと、掌側板がゆるくなってしまい、第二関節が過伸展を起こしてしまいます。それによってその指の伸筋(=指を伸ばす筋肉)の腱が、指の背側から腹側へスライドしてきてしまい、第一関節を屈曲させることで、スワンネック変形が起きます。

 

②掌側板(=volar plate)の断裂

スポーツ中にスワンネック変形が起こるのは、こちらのメカニズムです。ボタン穴変形と同じように、ボールなどが指の先端に当たったり、転んだときに地面に指をついてしまったときなどに、第二関節の掌側板が断裂してしまうことで、スワンネック変形が起きてしまいます。

症状は、第二関節の痛みと腫れ。第二関節の腹側を触ると鋭い痛みが起こることも特徴です。

スポーツ中に起こってしまったときの応急処置としては、まずはRICE。病院にもすぐに行き、医師に診てもらいましょう。上で紹介したボタン穴変形と同じく、副木が必要になります。

 

突き指パート1で紹介したマレットフィンガーやジャージーフィンガーと比べると、あまり見かけない突き指かもしれませんが、トレーナーとしては、知っておきたい怪我です。応急処置も、特別なことをするわけではありません。ただ、指は脂肪や筋肉が少ないため、腱の断裂や骨折などが起きやすい部位です。そのため、すぐに応急処置をし、必要があればすぐに医師に診せる。迅速な処置が必要になります。

 

1度しっかり学び、知っておけば、突然現場で見かけても、あたふたすることはないでしょうから。

 

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