運動・トレーニング

バランスボールを使った体幹トレーニング5選【上級者向け】

プランク_バランスボール_体幹

フィットネスジムに行ったことがある方は、一度はバランスボールを見たり使ったことがありますよね?私家に持ってる!という方もいるかもしれません。最近では、オフィスで椅子の代わりにバランスボールの上に座って仕事をする方もいます。現に私も、職場ではバランスボールに座ってデスクワークをしております。

楽しく効果的に様々な部位を鍛えることができるバランスボールは、値段もそんなに高いものではないため、うまく使うととても良いエクササイズツールとなります。使い方によっては、とても強度の高いエクササイズを自宅で行うことができます。

今回は、いくつかの研究論文を参考に、科学的根拠(エビデンス)に基づいた「とても効果の高いバランスボール体幹トレーニング」を5種類紹介します。どれも難易度高めなので、ある程度今まで腹筋・体幹トレーニングを行ってきた人向けです。ぜひ挑戦してみてください。


>>参考文献はこちらです。

バランスボール_体幹_腹筋_スクショ

Core Muscle Activation During Swiss Ball and Traditional Abdominal Exercises
8種類のバランスボールを使った体幹トレーニングと、2種類のバランスボールを使わない一般的な腹筋トレーニングでの、体幹の筋肉群の働きを比較・研究した論文です。

バランスボール_NSCA_スクショ

Stability Balls: Reviewing the Literature Regarding Their Use and Effectiveness
バランスボールを使用することのメリットや効果についてがまとめられた、NSCA(National Strength and Conditioning Association)より発行の論文です。

バランスボール_論文_スクショ

Muscle Activation Among Supine, Prone, and Side Position Exercises With and Without a Swiss Ball
2016年発行の論文です。仰向け、うつ伏せ、横向きで行う体幹トレーニングを、バランスボールを使う場合と使わない場合で、筋肉の活動量を比較した研究です。

科学的根拠に基づいたバランスボール体幹トレーニング5選

バランスボール_体幹トレーニング

それでは、科学的根拠(エビデンス)に基づいた、とても効果の高いバランスボール体幹トレーニングを5つ紹介していきます。どれも難易度高めですが、ぜひ挑戦してみてください。

1)パイク(Pike)

今回研究された10種類のエクササイズの中で、最も効果的なバランスボール体幹トレーニングの1つとして紹介されたのがこの「パイク(Pike)」というエクササイズ。腹直筋下部、外腹斜筋、内腹斜筋の3つの筋肉でとても高い活動量をみせました。特に外腹斜筋の活動量は84%とかなり高い数値が出ています。

ですが、最も効果的なエクササイズであると同時に、今回紹介するエクササイズの中では最も難しいエクササイズでもあります。基本的な体幹トレーニングがしっかりできるようになってからやるようにしましょう。

  1. 腕立て伏せのポジションで、両足をバランスボールの上にのせる(膝と足の甲の間くらい【左画像】)
  2. 頭から足まではまっすぐ
  3. 両膝はまっすぐキープしながら、お尻を上に持ち上げながら股関節を曲げていく(90〜100°くらい)
  4. 1秒ほどそのポジションでキープし、ゆっくりスタートポジションに戻る

私個人的には「体幹」に含めて考えている「肩甲帯」の安定性を鍛えるトレーニングとしても、このパイクは非常に効果的です。

2)ロールアウト(Roll-out)

パイクとともに、最も効果的なバランスボールを使った体幹トレーニングとして参考文献に紹介されているのが、この「ロールアウト」というエクササイズです。10種類のエクササイズの中で、一番腹直筋上部の活動量が高く出ました(=63%)。また、腹直筋下部も、上で紹介したパイクに続く2番目の活動量の高さでした(パイク=55%、ロールアウト=53%)。

  1. 両膝立ちとなり(膝は90°)、膝から頭まではまっすぐ
  2. 両肘は伸ばし、両肩は30°くらい屈曲位(=両腕が体の真横にある状態から30°前方に上げる)の状態で、両こぶしをバランスボールの上にのせる
  3. 頭から膝までまっすぐをずっとキープしながら、最初に両こぶしを置いていたあたりに肘がくるまでバランスボールを前方に転がしていく(この時肩は90〜100°屈曲位)
  4. 頭から膝までのまっすぐはキープしながら、バランスボールを手前に転がしてスタートポジションに戻る

3)スキーヤー(Skier)

外腹斜筋と内腹斜筋の活動量がともにパイクに続いて2番目(=外腹斜筋が73%、内腹斜筋が47%)だったのがこの「スキーヤー(Skier)」というエクササイズでした。スキーを滑る時の格好に似ていることからそう呼ばれています。

  1. スタートポジションはパイクと同じで、腕立て伏せの状態で両足をバランスボールの上にのせます
  2. 股関節と膝を曲げながら、バランスボールを左肩(もしくは右肩)の方に引きつけてきます
  3. 股関節、膝関節ともに90〜100°くらい曲げたら、ゆっくりスタートのポジションに戻る
  4. 股関節を曲げる時に、お尻があまり上に上がっていかないように注意する(多少はOK)

4)プランク・ヒップエクステンション(Plank with Hip Extension)

上で紹介した3つほどではないですが、外腹斜筋、内腹斜筋のどちらも高い活動量が出ました。そして、これは研究には含まれていませんが、体幹の筋肉を使いながら臀筋(=お尻の筋肉)を使うこのエクササイズは、個人的にとてもオススメです。理由は、臀筋を鍛えることは、日常生活を快適に送る上でも、運動・スポーツのパフォーマンスアップのためにも、とても重要だと感じているからです。臀筋を動きの中で(=運動・スポーツ中や日常生活を送る中で)使うことができるようになるのは、腰痛防止をはじめとしてとても大事になってきます。

  1. スタートのポジションはパイク、スキーヤーと同じ
  2. プランクのポジション(=腕立て伏せのポジション)をキープしながら、片足ずつ持ち上げる
  3. 片足を持ち上げた時に、身体が回旋したり、骨盤が下に下がってしまったり、腰を反ってしまわないように注意

臀筋のエクササイズについては「科学的根拠に基づいた最も効果的なお尻のトレーニング5選」にまとめています。ぜひこちらもご覧ください。

5)プランク・オン・ボール

ここまで紹介した4つのエクササイズは、すべて比較的難易度の高いものです。よって、まだあまり体幹トレーニングを行っていない方や、バランスボールをあまり使ったことがない方がいきなりやると、怪我のリスクが上がってしまいます。

バランスボールを使った体幹トレーニングをこれから始めたいという方は、まずはこのエクササイズから始めることがオススメです。とはいってもかなりキツイです。

どちらも頭から足までをまっすぐにキープすることが大切です。お尻(骨盤)が下に落ちて腰が反ってしまうのも、逆にお尻が上に上がってしまうのもよくありません。15〜20秒ほどキープできるといいですね。

バランスボールで体幹トレーニングをするべき理由

バランスボール体幹トレーニングなぜ

体幹トレーニングは様々な方法で行うことができます。ですが、バランスボールを使うことによって、体幹を効果的に鍛えることに加えて、非常に多くのメリットがあります。体幹トレーニングをするときにバランスボールを使うメリットを3つお伝えします。

1)より多くの筋肉が一気に活動する

同じエクササイズをする場合、安定した場所で行うよりも、バランスボールのようなグラグラする不安定な場所で行う方が、身体を安定させるために、より多くの筋肉を使う必要が出てきます。

より多くの筋肉を一度に使うことで、効率的に様々な筋肉を鍛えることができるだけでなく、グラグラする身体を安定させるために、自然と体幹の筋肉群が働くようになります。

2)身体の状態を脳に伝える「センサー」も鍛えられる

筋肉・腱・関節には、今身体がどのようになっているかを脳に知らせる「センサー」があります。例えば、ある筋肉がストレッチされると、このセンサーが反応して、脳に「今筋肉が伸ばされていまーす」と伝えます。この筋肉が伸ばされすぎた時、センサーがうまく働けば、「筋肉が伸ばされすぎてて切れそうだよ!」と脳に迅速に伝わり、それを聞いた脳は、筋肉が切れないように「おいそこの筋肉!短くなれ!」と指令を出します。この指令によってそれ以上筋肉が伸びずに済み、結果として怪我を未然に防ぐことができます。

しかし、もしこのセンサーがうまく働かないと、この筋肉が伸ばされすぎた時に、脳に「筋肉が伸ばされすぎていて怪我しそうだよ!」とすぐには伝わらず、そのまま伸ばされ続けて、結果切れてしまう、ということが起こる可能性があります。

バランスボールを使ってトレーニングをすることで、このセンサーをより刺激することができます。今の身体の状態・状況を迅速に脳に伝えることができるようになるため、体幹トレーニングをして体幹を鍛えながら、怪我の予防にも効果があります。

3)心拍数を増加させる

同じエクササイズでも、バランスボールを使用することで心拍数をより増加させることができます。NSCAによる参考文献では、バランスボールをサーキットトレーニングで使用することで、効率的に心拍数を増加させることができ、短時間でも効果的にフィットネスレベルを向上させることができる、と示しています。

バランスボールを使うデメリットもある】 不安定になってしまうことで、最大筋力を発揮することが難しくなります。よって、より重い重量を持ち上げられるようになりたい!というのが目標の場合、バランスボールを使ったエクササイズは不適切となります。最大筋力を上げたい場合は、安定した場所でトレーニングをする必要があります。

【おまけ】正しいサイズのバランスボールの選び方

Trideer バランスボール 55 65 75 cm (ブラック, 55 cm)

バランスボールは、様々なサイズのものが売られています。小さいものだと45センチくらいのものから、大きいものだと1.2メートルのものもあるらしいです(さすがに大きすぎやしないかい。笑)。

NSCAによる参考文献によれば、適切なサイズのバランスボールは、「ボールに座った時にももが床と平行よりもややお尻が上にあるくらい」のサイズだそうです。私の身長は168cmなのですが、65cmのバランスボールに座ると、ももが床と平行よりもややお尻が上にあります。よってザックリですが、私の感覚では以下のようなサイズ感だと思います。

  • 身長140cm台:45cmのバランスボール
  • 身長150cm台:55cmのバランスボール
  • 身長160cm台:65cmのバランスボール
  • 身長170cm台:75cmのバランスボール

あまりパンパンに膨らませすぎると使いずらいので、例えば65cmのバランスボールであれば、60〜63cmくらいまで膨らませるくらいがちょうど良いのかなと個人的には思います。

まとめ

今回は体幹トレーニングを紹介しましたが、バランスボールは他の目的でも使うことができるとても便利なツールです。また、同じエクササイズでも、バランスボールを使うだけで強度を高くすることができます。

そんなに高いものではありませんし、使ったことがない方はぜひ一度使ってみてください。

CHAINON管理人

EXOS8のコピーATSUSHI(山口淳士)。米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)。外資系企業内のフィットネスセンターで健康指導・運動指導を行う。その他、ストレッチポール公式ブログでの記事監修や、GAP英語勉強会の講師なども。

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