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自分の基礎代謝の正確な求め方|カロリー計算には必須です

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「痩せたい」という人がダイエットを成功させるために、もしくは「増量したい」という人も、避けては通れないのが「カロリー計算」です。

減量はシンプルに「摂取カロリーと消費カロリーの差」で成功する」の記事でお伝えしたように、減量の本質は「摂取カロリー<消費カロリー」の状態を作り出すこと(増量は逆)。

つまり、自分は1日でどれくらいのカロリーを摂取しているのか? どれくらいのカロリーを消費しているのか? を知ることで、より効果的なダイエットを行うことができます。

摂取カロリーは、カロリーSlismで自分が食べたものを検索して、そのカロリーを計算していけばわかります。では、消費カロリーの方はどうでしょうか?

自分が1日にどれくらいのカロリーを消費しているか知っていますか?

今回の記事では、1日の自分の消費カロリーの計算をする際に大切な「基礎代謝」の求め方について解説します。

基礎代謝の求め方は色々あるのですが、今回は、基礎代謝の計算方法として世界的に有名でよく使われている5つのメソッドを比較し、どの求め方が実際一番正確なの?を研究した論文を参考にお伝えします。


>>今回の参考文献はこちらです。

resting-metabolic-rateThe accuracy of resting metabolic rate prediction equations in athletes
5つの異なる基礎代謝(安静時代謝)の計算方法を比較し、正確性を調べた論文です。2017年のStrength&Conditioning Journalより。

なぜ自分の基礎代謝の求め方を知るべきなのか

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私たちが1日に消費するカロリーの内訳は以下の通りです(だいたいです)。

  • 基礎代謝=60%
  • 活動代謝(身体活動・運動など)=30%
  • 食事誘導性熱産生=10%

1日の中で使っているエネルギーの「6割」は基礎代謝です。どう考えても重要ですよね。

自分の基礎代謝を求めることで、1日の消費カロリーをより正確に知ることができます。

食事誘導性熱産生とは「モノを食べることで消費されるエネルギー」のこと。カロリーを摂取すると、摂取した食べ物を消化・吸収するために胃や腸といった内臓が動き、その内臓の活動でカロリーが消費されるのです。

基礎代謝と安静時代謝の違い

ここで、よく混同されて使われる「基礎代謝」と「安静時代謝」の違いを簡潔にお伝えします。まずはそれぞれの定義から(厚生労働省より)。

  • 基礎代謝(Basal Metabolic Rate):心身ともに安静な状態の時に、生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量
  • 安静時代謝(Resting Metabolic Rate):基礎代謝量の測定のように、姿勢や食事・室温などの測定条件を規定しないで、仰向けや座位で、安静に(静かに休息)している状態で消費されるエネルギーのこと

つまり、シンプルに考えると以下の式となります。

安静時代謝=基礎代謝+食事誘導性熱産生

簡単に言うとこれだけです。安静時代謝は「安静にしているときに使われるエネルギーの量」を指し、ここには「食事誘導性熱産生」も含まれるということ。

よって、安静時代謝はだいたい「基礎代謝の10〜20%増し」になると言われています。

今回の参考文献のタイトルは「accuracy of resting metabolic rate(=安静時代謝の正確性)」となっていますが、この論文を読んでみると「安静時代謝」と「基礎代謝」を同じ意味として使っていたため、今回の記事では「基礎代謝の求め方」としています。

基礎代謝を求める5つの計算方法

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今回の参考文献で比較された5つの計算方法(ハリス・ベネディクト法は男女で式が違いますが、1つとしてカウントしてます)は以下の通りです。

ネルソン法

25.8 ✕ 除脂肪体重(kg) + 4.04 ✕ 脂肪体重 (kg)

ミフリン・セントジョー法

9.99 ✕ 体重(kg) + 6.25 ✕ 身長(m) − 4.92 ✕ 年齢 + 166 ✕ 性別(男=1, 女=0) − 161

ハリス・ベネディクト法(男性)

66.47 + 13.75 ✕ 体重(kg) + 5 ✕ 身長(cm) − 6.76 ✕ 年齢

ハリス・ベネディクト法(女性)

655.1 + 9.56 ✕ 体重(kg) + 1.85 ✕ 身長(cm) − 4.68 ✕ 年齢

デロレンソ法

−857 + 9 ✕ 体重(kg) + 11.7 ✕ 身長(cm)

カニンガム法

500 + 22 ✕ 除脂肪体重(kg)

除脂肪体重とは「体重から脂肪量を除いた体重」のこと

これは「体重(kg) ✕ 体脂肪率 = 脂肪量」を求めてから「体重 − 脂肪量 = 除脂肪体重」で求めることができます。

これらの計算方法を使って出た推定の基礎代謝量と、実際に「間接熱量測定法」を使って求めた基礎代謝量を比較して、どれくらい誤差が出るか(誤差が少ない=計算方法が正確)が調べられました。

「間接熱量測定法」とは、正確な基礎代謝量を求める装置を使った方法のこと。正確ですが、装置は研究室などにしかなくコストもかかるため、私たち一般人がこの装置に出会うことはないでしょう。笑

ベストな基礎代謝の求め方は男女ともにカニンガム法

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間接熱量測定法(=一番正確)によって求められた基礎代謝量と、5つの計算法で求められた基礎代謝量の結果はこちら(だいたいです)。まずは男性から。

  • 間接熱量測定法:2405 (kcal)
  • ネルソン:2109
  • ミフリン・セントジョー:1987
  • ハリス・ベネディクト:2139
  • デロレンソ:2123
  • カニンガム:2240

間接熱量測定法での結果に一番近かったのは「カニンガム法」でした。続いて女性。

  • 間接熱量測定法:1544
  • ネルソン:1331
  • ミフリン・セントジョー:1414
  • ハリス・ベネディクト:1475
  • デロレンソ:1659
  • カニンガム:1583

なんと女性でも、一番優秀なのは「カニンガム法」でした。

よって、正確な基礎代謝量の求め方は、現時点で「カニンガム法」を使うのがベストと言えるでしょう。「500 + 22 ✕ 除脂肪体重(kg)」という式はとてもシンプルで使いやすいですね。

除脂肪体重がわからないならハリス・ベネディクト

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除脂肪体重を求めるには、自分の体脂肪率を知る必要があります。

もし自宅に体組成計がある方は、そちらで測定すれば問題はないのですが、自宅で利用するような体組成計は正確ではないことが多いです。

市販の体組成計で使われる「生体インピーダンス法」の正確性を調べた研究によると、生体インピーダンス法で測定された体脂肪率は最大で「8%のエラー度」があると報告しています。

これは例えば、測定して「体脂肪率20%」と出た場合、もしかしたらこの人は本当は体脂肪率が「16%」の可能性もあり、逆に「24%」である可能性もある、ということです。16%と24%では全く違いますよね。。。

よってもしあなたが、この体組成計はあまり当てにならないなと感じたり、カニンガム法で求めた基礎代謝量をベースに1日の消費カロリーを求めて、それを参考に摂取カロリーを計算して、その通りに食事をしているにも関わらず減量(もしくは増量)できない、という場合は、ハリス・ベネディクト法で改めて基礎代謝を求めてみるのも良いかもしれません。

Slismのサイトでは、身長・体重・性別・年齢を入れるだけで、ハリス・ベネディクト法を使っての基礎代謝量を求めてくれます。ぜひ使ってください。

まとめ

「基礎代謝の求め方」のまとめは以下のようになります。

  • 「カニンガム法」で求めた基礎代謝が、男女ともに一番正確であった
  • 測定した体脂肪率があまり信用できない、という場合は「ハリス・ベネディクト法」を使ってみる

最近の体組成計では、体重や体脂肪率と一緒に基礎代謝量を出してくれるものもありますが、一度今回紹介した計算式で基礎代謝を求めてみても面白いと思いますよ。

【参考文献】
Jagim AR, Camic CL, Kisiolek J, et al. Accuracy of Resting Metabolic Rate Prediction Equations in Athletes. Journal of Strength and Conditioning Research. 2018;32(7):1875-1881. doi:10.1519/jsc.0000000000002111.

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