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慢性的な頭痛には3種類ある|現段階でわかっている対処法まとめ

頭痛で悩んでいる人って、すごく多いですよね。僕も頻繁ではないですが、たまにこめかみの部分がズキズキするような頭痛になることがあります。すると、何をするにも集中できなくなったり、気持ち悪くなって横になりたくなったりもします。ですが、なぜ頭痛になったのか、その原因がわからないので、バファリン(=痛み止め)を飲んで、対症療法でやり過ごす、、、というのが現状だったりします。こんな人が多いのではないでしょうか?

筋肉痛は筋肉が損傷や炎症を起こして痛みが発生するし、骨折は骨が損傷して痛みが発生します。では「頭痛」は、頭のどこが損傷?炎症?して痛みが発生しているのでしょうか?

痛みの原因が何かわからなければ、根本からの治療はどんな怪我、病気、症状でもできません。「頭痛」はいまだに謎が多く、しっかりと解明されていないものですが、日本人の3〜4人に1人が日常的に悩んでいると言われる頭痛について、私なりに調べてみました。


>>今回の参考資料はこちらです。

newton-illness-coverNewton別冊『体と病気の科学知識 新装版』
2019年6月発行のNewton別冊です。臓器関係の病気、アレルギーについて、肥満や生活習慣について、さらにガンについてなど、良い情報が満載です。

chronic-headache慢性頭痛が薬に頼らず(楽)治る最強療法(頭痛の世界的名医が考案した特効体操ポスター付録)
本屋で頭痛に関する本を探したら、思っていた以上に全く無くて、見つけたのがこの本でした。様々な頭痛に関する専門家の考えが載っています。

jhsnet一般社団法人 日本頭痛学会
専門家だけではなく、一般の方にもわかりやすく頭痛について解説しているページがあります。

頭痛とは?

what-is-headache

一般社団法人「日本頭痛学会」によると、頭痛とは「頭部の一部、あるいは全体の痛みの総称」ということ。つまり、頭のどこかが痛いなと感じたら、それはすべて「頭痛」です。

頭痛とはあくまで「頭が痛い」という「症状」を基本的には表しています。よって、トレーナーとしては「頭痛」と言われてもそれは「頭が痛い」と感じている、ということしかわからず、何が原因で(=どこが損傷?炎症?異常が発生?して)頭が痛くなっているのかはわかりません。

頭痛には2種類ある

2018年に国際頭痛学会が発表した「国際頭痛分類第3版」によると、頭痛には大きく分けると2種類あります。

  • 一次性頭痛:何か病気が隠れているわけではなく、頭痛自体が慢性的に起こる(=慢性頭痛症)
  • 二次性頭痛:脳卒中やクモ膜下出血、脳腫瘍など、脳や頭部の病気が原因となり、その病気の症状として頭痛が起こる

二次性頭痛の場合は、頭痛を引き起こしている病気が治れば、頭痛も治ります。二次性頭痛を引き起こす病気は、命に関わる危険なものばかりなので、一刻も早く病院に行って治療をしてもらう必要がありますが、頭痛の原因ははっきりしています。

対して一次性頭痛は、その頭痛を引き起こしている病気は特にないため、頭痛自体が病気、ということになります。「日本人の約3〜4人に1人が日常的に悩んでいる」と冒頭で言いましたが、その頭痛はこの一次性頭痛です。ここからはこの「一次性頭痛」について、掘り下げていきます。

頭痛が頻繁に起こったり、いつもの頭痛よりも痛みが激しい、もしくは違うタイプの痛みである、そんなときはすぐに脳神経外科や神経内科を受診しましょう。「認定頭痛専門医一覧|日本頭痛学会」のページでは、頭痛専門医がいる病院を検索することができます。

 一次性頭痛の代表例は3種類ある

一次性頭痛は、二次性頭痛と比べると、命に関わるから一刻も早い治療を!というわけではないことが多いですが、頭痛になると仕事どころではなく、何もしたくなくなりますよね? 頭痛にならないほうが良いに決まってます。

一次性頭痛は、大きく分けると3種類あります。

  • 緊張型頭痛:頭部の筋肉が緊張して、ハチマキで頭全体を締め付けられたように痛む
  • 片頭痛(へんずつう):ズキンズキンと脈を打つように痛む
  • 群発頭痛(ぐんぱつずつう):片方の目の奥のあたりがえぐられるように激しく痛む

一次性頭痛が厄介な理由は、ずっと言ってきていますが「原因がハッキリしない」ということです。レントゲンやMRIを撮っても何かが映るわけでもなく、血液検査をしても異常値が現れない。どうしても発生の原因がわからない「謎の痛み」というケースが多いのが事実です。

3種類の一次性頭痛の症状・原因・対処法

わかっていないことが多い一次性頭痛ですが、私が調べた中で、現段階でわかっている対処法をお伝えします。

一次性頭痛の中で最も多いのは「緊張型頭痛」

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普段から頭痛に悩んでいる人はよく「私、片頭痛持ちなのよ」と言ったりしますが、慢性的な頭痛に悩む日本人の約60%がなっているのは「緊張型頭痛」です。もしかしたら、あなたが悩んでいる頭痛は片頭痛ではなく、緊張型頭痛かもしれません。

緊張型頭痛と片頭痛は症状が全く異なり、よって対処法も正反対なので、自分がどちらの頭痛になっているのかを理解し、それに合った対処法を行うことで、薬に頼らずに治療を行うことができるかもしれません。

緊張型頭痛の症状

緊張型頭痛になると現れる症状は以下の通り。

  • いつのまにか痛み始める
  • ハチマキで頭をしめつけられたような痛み・圧迫感
  • 頭が重い
  • 後頭部の痛みが長く続く
  • 我慢して動ける程度の痛み

あなたやあなたの患者さんの頭痛の症状と一致するでしょうか?

緊張型頭痛が起こる原因と対処法

緊張型頭痛が引き起こされる原因として一番有力なのは「頭部・首・肩の筋肉の緊張によって血流が悪くなる」ことと言われています。よって、緊張型頭痛の対処法は以下の2つです。

  1. 頭部・首・肩の筋肉の緊張を和らげる
  2. 頭部・首・肩の筋肉の緊張を引き起こしている原因を解決する

(1)は対症療法的なアプローチです。頭部・首・肩の緊張を和らげ、血流を良くすることで、緊張型頭痛の症状は和らぎます。お風呂に入って温めたり、頭部〜首〜肩の筋肉をほぐしたり、ストレッチをしたり、軽く動かすと良いでしょう(ほぐし方やストレッチの方法は下記参照)。

(1)をしつつ、(2)をやるのがとても大切です。そもそも「なんで筋肉が緊張してしまうのか?」を解決することが重要です。「頭部・首・肩の筋肉の緊張を引き起こす原因」として考えられることは、例えば以下の通り。

  • 長時間のデスクワーク・姿勢の悪さ
  • 枕が合っていない
  • 心理的ストレス

お仕事が長時間のデスクワークの方は、1時間に1回ほどは立ち上がり、トイレに行ったりお茶をくみにいったりなどして、体を少しでも動かすことで、頭痛を引き起こすほど筋肉が緊張してしまうのを防ぐことができます。

筋肉を温めたり、ほぐしたり、動かしたりしても変化がない(もしくはすぐに元に戻ってしまう)場合、その緊張型頭痛の原因は「ストレス」かもしれません。

緊張型頭痛は「ストレス頭痛」とも呼ばれる

緊張型頭痛は、ストレスがかかっているときになりやすいと言われています。よって、そのストレスが発生している原因を突き止めることで、未然に対策をとることができたり、根本的な解決につなげることができます。

しかし多くの人は、自分が何にストレスを感じているのか、更にはどのストレスがあなたの頭痛を引き起こしているのかわかっていません。それを知ることで、緊張性頭痛を根本から解決できます。

頭痛を引き起こすストレスを明らかにする方法として、認知行動療法としても使われる「痛みダイアリー」という方法があります。やり方は以下の通り。

headache-diary慢性頭痛が薬に頼らず治る最強療法」より筆者編集

  1. 頭痛が起きた日付・時間・部位(こめかみ・後頭部など)を記入
  2. 痛みレベルを10点満点で採点(1=ほんの少しの痛み, 10=過去最大の痛み)
  3. その痛みが起きたときにやっていたこと・周囲の状況を記入
  4. その痛みを引き起こしたと思われる原因を推測して記入
  5. その痛みに対してどんな対策をして、それがどれくらい効果があったかを記入

難しく考えず、書けるものだけをパッと書きましょう。痛みの発生状況を記録していくことで、自分の頭痛が起こる状況に共通点や一定のパターンが見えてきます。寝不足の日、天気が悪い日、満員電車に乗った後、生理、など「頭痛の原因」がわかってくるのです。

原因がわかれば、対処ができる。こういうときに頭痛が起こることが多いとわかれば、事前に対処ができるため、気持ちもラクになり、痛みレベルも減り、頭痛を回避することも可能になります。

フォームの仕様が少し異なりますが、日本頭痛学会ウェブサイトより頭痛ダイアリーがPDFでダウンロードできます(ダウンロードはこちらから)。こちらを使用しても良いですし、自分の手帳やスマホカレンダーなどに記入でも問題ありません。

ズキンズキンと拍動性の痛みが出る「片頭痛」

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片頭痛になると現れる症状は以下の通り。

  • ズキズキという拍動性の痛み
  • 吐き気や嘔吐をともなう場合も多い
  • ひどくなると動くのもツラくなる(仕事や家事に支障が出る)
  • 音・光・においに対して過敏になる

どうやら僕がたまになるのは「片頭痛」のようです。緊張型頭痛と片頭痛は症状が明らかに違うので、頭痛になったときに現れる症状で、自分がどちらの頭痛になるのかがある程度推測できます(両方なるという方もいます。ひどい場合は必ず病院に行って診断を受けましょう)。

「片頭痛」という文字から「頭の片側だけ痛くなる」のが片頭痛だと思っている方も多いですが、頭の両側が痛くなることもあります。両側が痛いからこれは片頭痛ではない、というわけではないのです。

片頭痛が起こる原因と対処法

緊張型頭痛は身体を動かしたりお風呂に入ると痛みが和らぐのに対し、片頭痛は逆で症状が悪化することがあります。片頭痛は「なんらかの理由で頭部の血管が急激に拡張」することによって起こると言われているので、片頭痛になった場合は以下のように対処するのが良さそうです。

  • 静かな暗い場所で安静にする
  • 痛む部分を冷やす(=アイシング)

身体を動かして血流が良くなると悪化するため、片頭痛の場合は安静にするべきです。また、音や光によっても痛みが増すことがあるので、静かな暗めの場所で休みましょう。更に、血管の拡張が原因とされているため、血管を収縮させる「アイシング」が効果的な場合があります。

緊張型頭痛は「ストレスがかかっている最中」になることが多いと上記しましたが、片頭痛は「ストレスから解放されて気が緩んだ時」に起こりやすいとのこと。本当に緊張型頭痛と片頭痛は対照的ですね。

めちゃめちゃ痛い「群発頭痛」

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一次性頭痛の中で最も患者数は少ないですが、とにかくめちゃくちゃ痛いのが「群発頭痛」と呼ばれるものです。「群発」という名の通り、一度起きると、数日〜長いときは数ヶ月に渡って、毎日決まった時間に痛みが襲ってくるという怖いものです。症状は以下の通り。

  • 片側の目の奥・前頭部・側頭部に痛み(「目がえぐられるような痛み」「何かが突き刺さったような痛み」とも言われるほどの激しい痛み)
  • あまりの痛みにじっとしていられない
  • 痛む側の目の充血・涙が止まらない・鼻水が出る

群発頭痛が起こる原因として現時点で考えられているのは、片頭痛と同じように「脳の太い血管が何らかの理由で拡張したとき」のようです。

群発頭痛の症状が当てはまる方はすぐに病院へ行きましょう。血管の拡張を鎮めてくれる「スマトリプタン」という薬を処方してくれたり、濃度100%の酸素を吸入する「在宅酸素療法」を紹介してくれたりします(ともに健康保険適用)。

あまりにも痛くて、壁や床に頭を自ら打ちつけて大怪我になってしまうケースもあるようなので、すぐに病院です!

緊張型頭痛・片頭痛の対策・予防する3つの方法

上記したように、群発頭痛の場合はすぐに病院へ行って治療を受けましょう。緊張型頭痛や片頭痛の症状が当てはまる方も、慢性的な頭痛がひどい場合は、セルフであれこれやるよりも、まずは医師に診てもらってアドバイスを受けましょう。効果的な薬を処方してもらい、服薬しながら治療を進めるのが一番効果的です。

たまに頭痛になるという方。病院に行くほどの痛みではないけれど、これ以上ひどくならないように予防したい方。たまに頭痛になったときにパッとできる対処法を知りたい方。そんな方のために、1日数分やるだけで効果的だと考えられる予防エクササイズ・対処法を3つ紹介します。

1)頭の付け根マッサージ

「頭部〜首の筋肉の緊張・凝り」は慢性頭痛を引き起こす要因となります。そんな緊張・凝りを和らげるのに効果的なのが、頭の後ろ側の髪の毛の生え際を指圧してほぐす「頭の付け根マッサージ」です(動画では2種類のマッサージが紹介されていますが、前半の1つ目がよりオススメです)。

  1. 親指を髪の毛の生え際(頭の骨と首の筋肉の境目)に当てる
  2. 3〜5秒ほど指圧したら、指一個分内側 or 外側に移動して、同じように指圧する
  3. 耳の後ろ〜首の骨あたりをほぐしていく

緊張型頭痛になってしまったときは、ここをほぐすとラクになります。片頭痛持ちの方は、片頭痛になっているときはやらないようにします(血流が促進されると痛みが増す可能性があります)。痛みがないときに行うと、片頭痛の予防に効果があります(緊張型頭痛の予防にももちろんなります)。

もしフォームローラーやストレッチポールを持っている方は、それを枕のようにして仰向けで寝て、髪の毛の生え際にローラーを当てながら左右に首をゆっくり動かすという方法もオススメです(下動画参照)。

首の筋肉に押し当てることでマッサージ効果もありながら、ゆっくり首を動かしているのでストレッチのような効果もあります。

どちらの方法でも、1分ほど行うだけでだいぶ首や肩がラクになりますよ。

2)ふくらはぎマッサージ

もしあなたが頭痛に加えて「腰痛」「冷え性」「疲労がとれない」「足がむくむ」といった症状にも当てはまる場合、頭部付近だけではなく全身の筋肉が硬まっている、もしくは血流が悪くなっている可能性があります。そんな方には、頭の付け根マッサージに加えて「ふくはらぎ」をほぐすのがオススメです。

  1. 仰向けになって、片膝を立てる
  2. 膝の上にふくらはぎを乗せる
  3. 軽く膝にふくらはぎを押し当てるようにしながら脚を動かしてマッサージ

ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれるくらいのポンプ作用を持つため、ふくらはぎをほぐしたり動かしたりすると全身の血流が良くなります。1)と同じく、片頭痛の症状が出ているときはやらないように。頭痛がないときに行うことで、予防になります。

もしフォームローラーやストレッチポールを持っている方は、それを利用してセルフマッサージするのも良いですね。

足関節の捻挫や膝の怪我の後に腫れを引かせるリハビリエクササイズとして有名な「アンクルポンプ」も、ポンプ作用を促進するためオススメです。

3)顔・おでこ・ひじを冷やす

片頭痛と群発頭痛を引き起こす原因は「血管の急激な拡張」という説が有力なため、対処法として、血管を収縮させる「冷却(アイシング)」が有効です。これは、頭痛が起きたときに冷やすのはもちろん、毎日1〜2分冷やすことで予防効果もあるようです。

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冷やす場所は「おでこ」「」「」がオススメです。

顔やおでこを冷やすことで、頭痛があるときは「冷え」によって痛みが和らぎます。また、痛みがないときも冷たい水で顔を洗ったり、保冷剤や氷のうなどでおでこを冷やすことで、頭部や顔の筋肉がほぐれたり血流が良くなり、予防につながります。

肘〜前腕部には「温度を感じる感覚神経」がたくさんあるため、そこを冷やすことで「冷たい」という刺激が脳に伝わって頭痛が和らぐということです。

瞬間的に体を冷やすことで、脳は冷えた部位を温めようとするため血流が良くなります。「血流を良くする」ことを考えると「温める」方が良さそうですが、体の反応を利用してあえて1回冷やすことで、冷やした箇所に加えて全身の血流を良くすることができます。

さらに、体の部位の冷却は「自律神経を整える」ことにもつながるということで、これも頭痛の改善に効果的です。

バファリン(痛み止め)の飲み過ぎは逆に慢性頭痛を招く

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慢性的な頭痛を持つ場合、バファリンなどの痛み止めを飲んでやり過ごしている、という方は多いと思います。もちろん仕事の最中などで、一刻も早く痛みをなくさないといけないという場合はしょうがないですが、鎮痛剤を飲みすぎると痛みに敏感になりすぎてしまい、どんどん頭痛の頻度や持続時間が増えてしまうという「薬物乱用頭痛」になってしまう可能性があります

薬物乱用頭痛が疑われる症状は以下の通り。

  • 頭痛の回数が増えてきた
  • 頭痛で目が覚めたり、明け方に頭痛が起きる
  • 鎮痛剤が効かなくなってきた
  • 頭痛になるのがイヤで、予防的に薬を飲んでいる

頭痛の頻度や痛みレベルが増してきたら、必ず病院で診てもらいましょう。市販の鎮痛剤よりも効果的な処方箋を出してくれるかもしれませんし、薬物乱用頭痛が疑われる場合は、薬以外の治療法のアドバイスをくれます。

ちなみにですが、僕の嫁も慢性頭痛持ちで、先日病院へ行きました。MRI撮影は異常がなく、片頭痛という診断を受けたのですが、同時に薬物乱用頭痛も疑われると言われました。結果、嫁は薬はもらわず、少々の頭痛だったらなるべく鎮痛剤は飲まずに安静にしてください、というアドバイスをもらいました。

「結局我慢かよ。。」と思うかもですが、最初はしんどいですが、原因の根本解決のためにはこれしかない、ということもあります。鎮痛剤の飲み過ぎにはくれぐれも気をつけましょう。

まとめ

3種類ある慢性的な頭痛の症状・引き起こす原因・対処法や予防法について解説してきました。まだまだはっきりとわかっていないことも多いため、随時更新していけたらと思います。

頭痛に悩む方の参考になれば幸いです。

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