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メタボは食事で治す|目標摂取カロリーの決め方と4つの食事ルール

メタボ食事サラダ2

メタボリックシンドロームを改善したい、もしくは体重を減らしたい、と考えている人は、まず「食生活を見直す」ことから始めましょう。「わかってるよ、食事が大事なのは。。。」という人が多いかもしれませんね。

実際に、日本肥満学会による肥満症診療ガイドライン2016にも、「減量のためには、摂取エネルギー量を制限することが最も有効で確立された方法である」と強く断言しています。それくらい、研究によっても証明されているのです。

メタボ改善・予防のために、1日にどれくらいのカロリー摂取を目指せば良いのか、そして食事をする際に最低限気にしてほしい「メタボ改善のための4つの食事ルール」をお伝えします。


>>今回の参考文献はこちらです。

肥満症診療ガイドラインサムネイル

肥満症診療ガイドライン2016|日本肥満学会 編集
日本肥満学会が2016年に発表したガイドラインです。各章ごとの文献の数がとても豊富で、信頼できる本です。

メタボは食事で治す|減量と内臓脂肪量の減少が目標

冒頭でも紹介しましたが、肥満症診療ガイドライン2016には、メタボリックシンドロームの治療は「食事量のコントロール(=食事療法)」が基本になります。エビデンスレベルは「Grade A = メタアナリシスに基づくデータがある」なので、かなり信頼できるエビデンスということを示しています。推奨グレードも「レベル I = 行うことを強く勧められる」 となっています。

食事量をうまくコントロールすると、体重は減り、内臓脂肪の量を減らすことができるので、いわゆる「肥満」によって引き起こされる様々な健康障害の予防・改善につながります。

メタボを治すための体重と食事量の目標設定の仕方

体重減量目標

ただただ「メタボを治したい!」と思うだけでは、いまいち何を目指したら良いかわからないですよね?よって、まずは目標をしっかり決めることが大切です。

メタボリックシンドロームと診断されてしまった人、もしくはメタボ予備軍なんて言われたり、まだメタボではないけど今から予防したい、という人は「体重を減らすこと」と「内臓脂肪量を減らしていくこと」が1番の目標となります。

A)BMIが25〜35の範囲の人の目標設定

BMIは「肥満指数」とも言われる数値で、『BMI = 体重 (kg) ÷(身長 [m] )2』で求めることができます。もし自分のBMIを知らないという人は、ぜひ計算してみてください。

【BMIの計算方法例】身長170cm、体重75kgの人を例にBMIを計算してみると、75 ÷(1.7 × 1.7)= 25.95… となるため、この人のBMIは25.95となります。 身長を「m(メートル)」に変えて計算することを忘れないようにしてくださいね。

 

さて、自分のBMIがわかったら、そのBMIによって、どれくらいの期間でどれくらいの体重を減らしていくのかという目標を設定します。そして、体重を減らすためにまず取り組むべきは「食事量のコントロール」です。もしあなたのBMIが25〜35の範囲であれば、目標は以下のように設定します。

1)3〜6ヶ月で体重の3%を減らす
2)1日の摂取カロリーは「25 (kcal) × 標準体重」

標準体重とは、BMI=22になる体重のことを指します。『標準体重 = 22×(身長 [m] )2』で求められることができます。ぜひ計算してみてください。

【標準体重の計算方法例】身長170cmの人の標準体重は、22×(1.7)×(1.7)=63.58kgとなります。

このまま170cm、75kgの人を例にとって説明します。

まず体重の目標。体重の3%は「75×0.03=2.25」となるため、3〜6ヶ月で2.3kg減らすことが、まず最初の目標になります。

続いて摂取カロリーの目標。この人の標準体重は上で計算した通り63.6kgなので、「25×63.6=1590」となるため、1日の摂取カロリーを1590kcal以内におさめることが目標となります。

もしあなたがすでに何らかの健康障害を持っている場合は、必ず医師や栄養士などの専門家に相談した上で、あなたにあった摂取カロリー目標を立てるようにしてください。

B)BMIが35以上の範囲の人の目標設定

BMIが35以上の方は、以下の目標設定が基本です。

1)3〜6ヶ月で体重の5%を減らす
2)1日の摂取カロリーは「20〜25 (kcal) × 標準体重」

肥満症診療ガイドライン2016では「5〜10%の体重減少を目指す」とありますが、まずは5%からで良いと思います。少しずついきましょう。最初から頑張りすぎても続きませんからね。1日の摂取カロリー目標も、最初は「25× 標準体重」で良いでしょう。これで体重が減っていくなら充分です。もし減っていかないなら、「20× 標準体重」に設定しましょう。

メタボを治す4つの食事ルール

目標体重と1日の目標摂取カロリーがわかったところで、次に考えるべきは具体的に「何をどれくらい食べれば良いのか」ということになります。

目標摂取カロリーにおさまれば何を食べても良い、というわけではもちろんありません。同じ体型の2人が、1日に同じ摂取カロリーをとり続けていたとしても、片方は栄養バランスよく食べていて、もう片方はポテトチップスばかり食べていたら、たとえ摂取カロリーだけ見たら一緒でも、ポテチばっか食べていた人は太ります。理由は「栄養バランスが悪いから」です。

それでは、具体的にどのような食事バランスを目指せば良いのか。「メタボ改善のための4つの食事ルール」を紹介します。

【食事ルール1】毎食必ず炭水化物・たんぱく質・野菜を食べる

栄養バランス

このルールさえ守れば、極端に栄養バランスが悪くなることはありません。朝ごはん、昼ごはん、夜ごはん、毎食で「炭水化物」「たんぱく質」「野菜」の3種類を必ず食べる。基本中の基本ですが、これができないと栄養バランスは極端になってしまいます。まずはこれを意識するところから始めましょう。

【食事ルール2】糖質(炭水化物)による摂取カロリーの割合は50%

糖質制限ライス

糖質制限に関しては、極端に糖質を全く食べないというのはあまりオススメしませんが、特にBMIが35以上ある方は、糖質の摂取を減らすことによって、健康的に体重を減らすことは可能だと思います。

もし糖質を減らしていきたいな、という方は、まずは夜の糖質の量を減らしてみましょう。朝、昼、夜の3食の食事で一番体重増に関係するのは「夜」です。よって、まずは夜の食事で糖質を取りすぎないように注意してみるところから始めましょう。

その上で、計算で導き出したあなたの1日の目標摂取カロリーの半分(50%)を炭水化物から摂取することを心がけてみましょう。もしあなたの1日の目標摂取カロリーが1600kcalであれば、1日の炭水化物の摂取は800kcalにします。

糖質制限で失敗してしまう多くの例は、最初から無理してガッツリ糖質を食べないようにして、1〜2ヶ月経って量を元に戻したら体重も元に戻ってしまった、というパターンです。よって、糖質を制限する場合は、1年、3年、5年でも続けられるくらいの減らし方から始めましょう。「継続」が何よりも大切ですよ。

【食事ルール3】たんぱく質の1日の摂取量は「標準体重1kgあたり1g」

目玉焼きたんぱく質

減量をするために1日の摂取カロリーを減らす上で注意したいのが、たんぱく質の摂取量が減ってしまうことです。よく言われますが、たんぱく質の役割の1つは「筋肉をつくる」ことです。よって、たんぱく質の摂取量が減ると、今持っている筋肉がどんどんなくなってしまいます

体重を減らす上で、できることなら、体脂肪量をたくさん減らして筋肉の量は維持したいですよね?もちろん筋肉の量を維持するためには「運動」もとても大事になってくるのですが、筋肉をつくる材料となるたんぱく質を必要最低限食事で摂取することが、筋肉量を維持する上でとても大切になります。

1日のたんぱく質摂取量の目安は、計算で導き出したあなたの「標準体重」で、単位をグラムにしてください。もしあなたの標準体重が63kgなのであれば、あなたが1日に食べるべきたんぱく質の量は63グラムとなります。

また、たんぱく質は必ず3食で食べましょう。1日の中で定期的にたんぱく質を摂取することで、筋肉が減ってしまうことを抑えます。もしあなたが1日に食べるべきたんぱく質の量が63グラムなのであれば、朝21グラム、昼21グラム、夜21グラムといったように分散させるのがベストです。たんぱく質は一度に大量に摂取しても、体が全部吸収することができません。朝10グラム、昼50グラム、夜3グラムなどと極端なバランスにしてしまうと、確かに1日で63グラム摂取しているのですが、実際に体内でたんぱく質として使われる量が減ってしまいます。

腎障害を持っている人(=腎臓の機能が低下している人)は、1日の食事でたんぱく質の割合が多いと、腎障害を悪化させる可能性があります。腎障害を含め、何か病気などを持っている方は、食事習慣を自分で変える前に、一度お医者さんや栄養士などの専門家に相談してください。

【食事ルール4】揚げ物は避ける

揚げ物脂質

脂質は3大栄養素の1つとして言われるくらい、身体にとって必要不可欠な栄養素です。よって、避けすぎは良くありません。脂質にも大きく分けると「身体に良い脂質」と「身体に良くない脂質」の2種類があるのですが、身体に良くない脂質の代表が「揚げ物」です

食べ物を揚げると、まずその食べ物自体が油を吸いますね。よって、見た目以上に揚げ物には脂が含まれています(=カロリーが増える)。さらに、食べ物の周りには小麦粉やパン粉がついていますね(=さらにカロリーが増える)。つまり、揚げ物を避けるだけでかなりのカロリー制限になります。

また、油を高熱にすることで、いわゆる「酸化」が起きます。酸化した油には、毒性が生まれます。お酒を飲みすぎると肝臓に悪い、とよく言われたりしますが、酸化した油を分解・消化できるのも肝臓だけです。揚げ物の食べ過ぎは、アルコールの取りすぎと同じようなものであり、内臓にかなりの負担をかけます。

揚げ物を避けるだけで、減量・健康にかなりの利益があります。嗜好品としてたまに食べるのは良いですが、食事の中心にするのはやめましょう。

まとめ

メタボ改善の基本は「食事量のコントロール」です。毎日複数回する食事を少し意識するだけで、体重はもちろん、健康にも様々な利益があります。まず意識していただきたい食事のルールは、たったの4つです。

  1. 毎食必ず炭水化物・たんぱく質・野菜を食べる
  2. 炭水化物による摂取カロリーの割合は50%
  3. たんぱく質の1日の摂取量は「標準体重1kgあたり1g」
  4. 揚げ物は避ける

まずはここからです。この基本的な4つのルールをあなたの食生活になじませていきましょう。いきなりたくさん変えようとすると、すぐにイヤになってしまいますからね。

メタボを食事で治す第一歩を踏み出していただけたらと思います。

CHAINON管理人

EXOS8のコピーATSUSHI(山口淳士)。米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)。外資系企業内のフィットネスセンターで健康指導・運動指導を行う。その他、ストレッチポール公式ブログでの記事監修や、GAP英語勉強会の講師なども。

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